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2010/12/07

長恨歌(馳星周 著)読了

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不夜城完結編というサブタイトルに目を惹かれて、書店で思わず購入した一冊。

不夜城、鎮魂歌の二作を読んでいないと、長恨歌のストーリーの下地が理解出来ないと思う。従って、本作を読みたい人は予め前二作を先に読むことをお薦めする。

絶望、嫉妬、憎悪、裏切り、臆病、他人から見たら取るに足らない意地、と馳ワールドの全てが詰め込まれている。

馳星周のファンが読む限りにおいては、ストーリーは予定調和的なものに感じるだろう。主人公が何をやっても中途半端で且つ、臆病。そして或る一面においては頑な意地を見せる。中途半端で臆病な主人公を読中は応援しながらも、最後にはと、冷めた目で結末を予想しながら読み進めていった。

登場人物が中国人や台湾人が多く、人名の読みがややこしい上に、癖のある馳ワールドは読手によって好き嫌いがはっきりと二分されるだろうが、ミステリ好きなら読んで損がないシリーズだと個人的に思う。

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