Pages

2010/12/30

死刑基準(加茂隆康 著)読了

このエントリーをはてなブックマークに追加

弁護士の身重の妻がレイプされた揚げ句、殺害された。妻を殺害された弁護士と、彼と親しい新人弁護士を軸としたリーガルサスペンス。

警察の地道な捜査が実り強姦殺人容疑で逮捕された被告は、強姦については容疑を認めたものの、殺人に関しては一貫して容疑を否認している。親友の妻を殺害した容疑で起訴された被告の弁護を何の因果か手伝うことになった新人弁護士が、裁判と並行して真犯人を探し出すという面白いストーリになっている。

法曹界に従事している人間を主とした小説の所為か、死刑廃止派の言い分や死刑存置派の言い分が途中途中に挿話されており、弁護士がどちらのスタンスに立つかにより弁護方法が変わったりするのかと想像するのも一興だろう。

裁判と並行して真犯人を探し出すというストーリのため、途中でだれることもなく一気に最後まで読ませてくれるストーリーだが、ラストシーンが安物のテレビドラマみたいな展開になったのは興醒めした。其れ以外は弁護士の論理武装や、弁護方法が或る意味で赤裸々に描かれており面白かった。ラストシーンが気にならない人には充分に満足できる一冊だと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿