帰省なんてまっぴらだ等と宣ってランチでお茶を濁す予定だったが、長妹からランチの連絡が来たのが遅く、既に俺は昼食の準備を終えたあとだった。
此でランチもなくなりラッキーとほくそ笑んでいたら、「じゃあ酒でも持っていく」と長妹が言い出し、酒を持って俺のマンションにやってきた。
酒を受け取り玄関の前で話していたら、どうしても弟と義弟が俺に会いたがっている、夕食だけでも一緒にと言われ、其れでも忙しいから突っぱねたら、長妹が逆ギレし「そんなに仕事ばかりしてどうする!」と言い出す始末だ。此以上起こらせると厄介なので夕食を共にすることにした。まあ2時間程度の辛抱かと思っていたら、長妹の横にいたお袋が「いっそ止まっていけ、明日の朝送るから」と言いだし、長妹が「それが良い。私が明日は送るから」と駄目出し...。
結局、帰省することになってしまった。
17時半に此方を出発し、実家に着いたのが18時半過ぎ。パチンコに行っている弟と義弟が帰ってきたのが19時過ぎ。次妹と次妹の旦那(下の義弟)もやってきたので酒宴がスタートした。
家の兄妹5人と義弟二人、姪っ子4人、甥っ子1人、親爺とお袋の都合12人の大所帯だった。だらだらと酒を呑みながら、お互いの近況を話したり、不景気を嘆いたりと結局は1時半まで酒を呑んでいた。
酒宴での話は色んな分野に及んだが、一番驚いたのは消費者金融の支店長をやっており高収入でこの世の春を謳歌していた弟が、法律改正と過払い請求で会社の経営状態がやばくなりリストラされていたことだ。今はプータローなので、親爺が「御前の処で弟と下の義弟を雇ってやれ」と半ば逆ギレして言い出す始末だ。「一寸待て、BMW 375iを乗り回すプータローや、アル中のDV野郎を雇う気力も甲斐性もない」と鼻で笑い、無茶な要請は却下した。弟よ、BMWを乗り回すくらいなら将来に備えて少しは蓄えておけよと...。
下の義弟に関しては、酒宴で暴れたら説教を喰らわすつもりだったが、親爺や俺の手前か大人しく呑み、早々と中座して家に帰ったので拍子抜けした。併し酒を呑んで暴れるのはいただけない。その旨だけは俺の横に座らせて言い聞かせておいた。
翌朝は朝から海苔、卵焼き、ベーコン、大根下ろし、味噌汁、大盛りの飯を喰わされ、食後には弟が前日に買っておいたアイス最中を食後のデザートにと出してくれた。朝から兄ちゃんは腹が一杯で苦しいよ...。
長妹が顔を作り終え、お袋が漬けた梅干しと、梅干しを入れて作った酢味噌を貰い実家をあとにした。途中で土産物屋へ寄り蒟蒻をお袋から買って貰った。他に欲しいものがあったら買ってやると言われたが、前の日に食材の買い出しは終わっていたので、「トマトが高くて手が出ない」と嘆いてトマトを買って貰った。何だか非常に所帯じみた会話ばかりなんですけど...。
10時半過ぎにマンションについて、一泊二日の慌ただしい帰省が終わった。此で年末までは喧しいことを言われなくて済むだろう。やれやれ...。
因みにお袋から貰った酢味噌は、茹でたキャベツと蒟蒻を氷水で冷やしてサラダにし、ドレッシング代わりに酢味噌をかけて喰った。かすかに梅の香りがする良い酢味噌で実に美味かった。年末に帰省した場合にはまた貰おう。
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